生きものと人のいろんな物語

8世紀前半、奈良時代に開湯した栃尾又温泉は、山間の道のどん詰まりにあります。そこに静かに佇むのは、江戸初期より400年間、湯を代々守る自在館。現在25代目。
「こんこんと湧き出てくる温泉は、地球からの預かりもの」として今も豊かなお湯を大切に守り続けています。「何もかもがスピード重視で変化が速い時代に、変わらないものを大切に」が秘湯の役割であり魅力と館主の星雅彦さんは語ります。
地球からの贈り物であるお湯は、珍しいラジウム温泉。温泉や湯気に含まれるラドンが、免疫力をアップしてくれます。36℃というぬる湯に、1～2時間ゆったり浸かり続けるのが伝統的な栃尾又温泉の入浴のしかた。30分も浸かっているとからだがポカポカ、フワフワしてきてそのリラックス度は最高！
部屋から窓を開けると樹齢400年の「夫婦欅」と呼ばれる大ケヤキと「子持杉」と呼ばれる大スギが目の前に見えます。子宝祈願で有名とのこと。
食事は地の物へのこだわりがたっぷり。もちろんお米は魚沼産ですが、○○さんのどの田んぼの山側なのか開けた方でとれたのかというところまでのこだわりよう。炭火で時間をたっぷりかけて焼かれた岩魚の美味しいこと！
魚沼と言えば世界屈指の豪雪地帯。でもこの雪のおかげで、美味しい水、山菜はアクがぬけて美味、豊かなブナ林は多様な生き物を育てます。そんな雪深い山々に包まれた秘湯、栃尾又温泉自在館は、疲れ切った身体を癒してくれる天然のホスピタルです。